「ジーンズとカルチャー」シリーズでは、ジーンズと深く結びつきのある文化について、ジーンズとの関わりや影響力について解説します。
第一回目は、1920年代のカウボーイ文化について紹介します。
ジーンズが初めて人々の生活に根づいたのは、アメリカ西部の荒野でした。
馬に乗り、風を受けて働くカウボーイたちの足元には、いつも藍色の生地がありました。
今回の「シリーズ・ジーンズとカルチャー」では、そんなジーンズの原点とも言える西部の暮らしに迫ります。
カウボーイとジーンズの出会い
1860〜1890年代のアメリカ西部開拓時代、ゴールドラッシュをきっかけに西部へ向かう人が増え、同時に鉄道の開通や農地の拡大で牧畜が広がっていきました。
この頃に活躍したのが、牛の放牧や移動を担ったカウボーイたちです。
カウボーイの仕事はハードで、当時主流だったキャンバス生地やウール生地のズボンはすぐ擦り切れてしまいました。
そこでカウボーイたちに選ばれたのは、1873年にヤコブ・デイビスとリーバイ・ストラウスが作り上げたジーンズでした。頑丈で動きやすく、シンプルな実用性がカウボーイたちに評判だったのです。
こうして、ジーンズは自然に“働くための道具”として、カウボーイたちの生活に溶け込んでいきました。

1880年代のカウボーイ
庶民にも広がる「カウボーイ×ジーンズ」のイメージ
1900年代初頭〜1930年代、アメリカでは西部開拓時代の終わりを迎えつつあり、カウボーイは過去の象徴として変化していきました。
一方、西部牧場の観光振興対策として、ロデオ大会やカウボーイショーがエンタメとして人気を博し、デュードランチという観光牧場も現れました。
その結果、テンガロンハット・ウェスタンブーツ・ジーンズといったカウボーイの格好は、観客の憧れのスタイルへと変化していきます。
また、この動きに乗りハリウッドが西部劇ブームに乗り出し、トム・ミックス、ジョン・ウェインなどのスターが登場します。映画の中で、カウボーイたちは「勇敢で孤独で自由な男」として強く印象づけられました。
当時の庶民たちは、映画に出てくるカウボーイやハリウッド俳優を真似するためにジーンズを履くようになったのです。
「カウボーイが履く服=ジーンズ」「ジーンズ=自由・強さ・男らしさ」といったイメージは、のちに1950年代の若者文化にも引き継がれていきます。

西部劇に登場する名優 ジェームス・ディーン
カウボーイになれるジーンズ3選
自由・強さ・男らしさを表現し、当時の生活をリスペクトしながらぜひ履いていただきたいジーンズを紹介します。
①Wrangler / Cowboy Cut 13MWZ
アメリカのカジュアルファッションブランド「ラングラー(Wrangler)」が誇る定番ジーンズで、1947年に初めて登場しました。前開きのジップラインは牛の角による事故を防ぐために、長く本数の多いベルトループは大きなバックルと合わせやすくするために、ストレートシルエットはブーツと合わせやすいように、とカウボーイのために作られたデザインです。
(税込¥8,800)
②Lee / 101COWBOY STRAIGHT
俳優ジェームズ・ディーンが、主演映画『理由なき反抗』で着用したモデルとして知られているジーンズ。バックポケットの端を留めるリベットを糸に変えたのは、馬の鞍を傷つけない為だったとされています。バックポケットは馬に乗った状態でもアクセスしやすいように、サイズが大きくなるにつれて左右の間隔が拡がっていきます。
今年、101の誕生100周年を記念して「Lee 101-Z」が復刻されています。
(税込¥33,000)

③Levi’s / 701
リーバイスが初めて女性用のジーンズとして発売したロットです。
デュードランチでは、女性がカウガールとしてお客様をアテンドしており、彼女たちは当時501を作業着として履いていました。ディテールも女性らしさにこだわっていて、このシリーズが発売されるとたちまち流行り、当時のファッション雑誌にも取り上げられました。
のちに名優マリリン・モンローが愛したジーンズとしても有名です。
(税込¥26,400)

西部開拓時代を感じながら、今の時代に履く
ジーンズが作業着からファッションへと変わる、大きな分岐点になったカウボーイとの出会いを紹介しました。
歴史を知って履くと、普段身につけるファッションも一気に奥行きが増しますよね。
ぜひカウボーイの文化を感じながら、今の時代に西部アメリカの風を吹かせてみてはいかがでしょうか?
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